目的 |
エージェントの平均処理時間(AHT)を集計する設定方法を紹介します。 |
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【窓口発信】 BIZTELバージョン 3.10.X 以降、電話番号発信とは別に「窓口発信」設定をご利用いただけます。「窓口」は「窓口発信時の通知番号」を設定したコールセンター/業務ラベルを指し、その「窓口」を選択発信する操作を「窓口発信」と呼称します。 設定詳細は「1.コールセンターの新規作成」、「2.業務ラベル(BIZTELバージョン 3.5.0 以降)」を参照ください。 |
ポイント |
・平均処理時間はBIZTELバージョン 3.10.0 以降で集計可能です。 ・平均処理時間を集計するには、事前に管理画面およびソフトフォンの設定が必要となります。 |
目次
1. 平均処理時間(AHT)について
1.1 平均処理時間とは
平均処理時間(AHT)とは、エージェントが通話 1件の処理に費やした平均時間を指します。
BIZTELでは通話開始から後作業終了までの平均時間を集計します。
集計結果は、各レポート機能より確認が可能です。
1.2 1通話あたりの処理時間の集計範囲
1通話あたりの処理時間は、通話開始から後作業が終了し、業務を再開できるまでの時間が集計されます。
※待機状態から通話開始までの時間は集計対象外です。
1.3 着信通話の平均処理時間集計について
着信通話の後作業時間および平均処理時間の集計は、コールフローに関わらず最終着信先となるコールセンターに対して「着信時の終話後ステータス」を「自動的に後作業にする」設定を行うことで集計可能となります。
詳細は「1.コールセンターの新規作成」を参照ください。
1.4 発信通話の平均処理時間集計について
発信通話の後作業時間および平均処理時間の集計について、通常の電話番号発信では外線番号に対して後作業時間を紐づけられないため、集計が行えません。
電話番号発信とは別に「窓口発信」設定をご利用いただくことで、発信通話も作業時間および平均処理時間の集計が可能となります。
■窓口発信とは
「窓口」は、「窓口発信時の通知番号」が設定されたコールセンター/業務ラベルを指し、その「窓口」を選択発信する操作を「窓口発信」と呼称します。
窓口発信した通話履歴は窓口情報が紐づき、「コールセンターレポート:発信」および「エージェントレポート:発信」の集計対象となります。
※以下オプション機能を利用して発信した場合、窓口発信の対象外となります。
・「アウトバウンド」オプション
・「コールバックAPI」オプション
・「通知番号選択」オプション
2. 想定ケース
本マニュアルでは、以下のケースを想定して平均処理時間を集計するまでの設定例を紹介します。
2.1 想定ケースの内容
■複数のグループから、1つのコールセンターへ転送して受電する運用
● ○○株式会社は、問い合わせ番号ごとに業務ラベルを紐づけた着信グループを設定し、最終的に1つのコールセンターに転送して受電業務を行っている。
● 着信通話は、着信時に経由した業務ラベルが履歴情報に紐づくため、業務ラベルごとに後作業時間および平均処理時間の集計が可能。
※上記想定ケースは、着信グループからコールセンターへの転送設定や、業務ラベルの紐づけ設定が事前に行われている想定となります。
● 業務ラベルの紐づけ設定
業務ラベル設定の詳細は「2.業務ラベル(BIZTELバージョン 3.5.0 以降)」を参照ください。
■運用課題
発信通話の場合、外線番号に対して後作業時間を紐づけることができないため、後作業時間および平均処理時間の集計ができない。
■設定導入効果
業務ラベルを「窓口」として設定し、発信時に業務ラベルを選択して発信(窓口発信)することで、発信履歴に業務ラベルと後作業時間を紐づけることが可能となり、発信通話の平均処理時間も集計できる。
2.2 注意事項
コールフローに応じた窓口発信設定について
本マニュアルでは、業務ラベルを経由するコールフローを前提とした設定例を紹介いたしますが、業務ラベルを経由しないコールフローの場合はコールセンターを窓口として設定し、平均処理時間を集計することも可能です。お客様のご運用に沿う設定をご利用ください。
コールフロー例①
コールセンターに直接ダイヤルイン番号が紐づけられている場合
コールフロー例①に基づく発信時の設定例
コールセンターを窓口として設定することで、コールセンター単位で平均処理時間の集計が可能となります。
コールフロー例②
IVRで問合せ種別ごとに異なるコールセンターへ転送している場合
コールフロー例②に基づく発信時の設定例
コールフロー例①と同様にコールセンターを窓口として設定します。なお、同じ番号を複数のコールセンター/業務ラベルの窓口発信時の通知番号に設定することも可能です。
コールセンター設定の詳細は「1.コールセンターの新規作成」を参照ください。
3. 想定ケースに基づく設定手順
発信通話の平均処理時間を集計するための設定手順を紹介します。
作業工程 | 管理画面対象メニュー | 対象マニュアル | 作業内容 |
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① 業務ラベルの設定 | コールセンター > 業務ラベル | 2.業務ラベル(BIZTELバージョン 3.5.0 以降) | 集計対象とする業務ラベルに「窓口発信時の通知番号」と「発信時の終話後ステータス」を設定します。 |
② ソフトフォンの設定 | ※ソフトフォン上の設定となります。 | 2.「ソフトフォン」メニューの設定(BIZTELバージョン 3.3.X 以降) | ①で設定した業務ラベルをソフトフォン上の窓口リストに表示する設定を行います。 |
3.2 業務ラベルの設定(管理者)
業務ラベルでは、「窓口発信時の通知番号」と「発信時の終話後ステータス」を設定します。
※管理画面で設定を行うには、スーパーバイザロール以上で、対象業務ラベルのリソース権限が必要です。
対象マニュアル | 2.業務ラベル(BIZTELバージョン 3.5.0 以降) |
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● 基本情報
ポイント1:「窓口発信時の通知番号」を設定する。
該当のラベルを選択して発信した際、相手に通知したい番号を選択します。
「窓口発信時の通知番号」を設定することで、業務ラベルを選択して発信することが可能となります。
ポイント2:「発信時の終話後ステータス」を「自動的に後作業にする」に設定する。
「発信時の終話後ステータス」を「自動的に後作業にする」に設定することで、該当のラベルを選択して発信後、自動的に後作業ステータスに遷移します。本設定により、業務ラベルに後作業時間を紐づけられます。
3.3 ソフトフォンの設定(エージェント)
ソフトフォンでは、「窓口リスト」を表示する設定を行います。
対象マニュアル | 2.「ソフトフォン」メニューの設定(BIZTELバージョン 3.3.X 以降) |
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● 表示設定
ポイント1:窓口リストを表示対象に設定する。
ソフトフォンで「窓口リスト」を表示対象に設定することで、業務ラベルを選択して発信することが可能です。ソフトフォンの表示リストを「切替可能」または「窓口のみ」に設定し、ソフトフォンに窓口リストを表示します。
4. 想定ケースに基づく運用手順
発信通話の平均処理時間を集計するための運用手順を紹介します。
作業工程 | 管理画面対象メニュー | 対象マニュアル | 作業内容 |
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①窓口発信業務 |
- |
1.ソフトフォンの通話操作 | 窓口発信業務を行います。 |
② レポート集計 |
コールセンター > コールセンターレポート:発信 コールセンター > エージェントレポート:発信 |
各種レポートで平均処理時間を集計します。 |
4.1 窓口発信時の確認点(エージェント)
窓口発信業務を行う際の確認点を案内します。
対象マニュアル | 1.ソフトフォンの通話操作 |
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● 発信前の確認
ポイント1:ステータスが「後作業」以外となっているか確認する。
発信前に、ステータスが「後作業」以外のステータスとなっていることを確認します。
受付可や、発信業務用に作成しているステータスがあれば選択ください。
ポイント2:窓口が選択されているか確認する。
選択した窓口(業務ラベル)が発信通話履歴に紐づき、発信レポートの集計対象となります。
※番号を選択して発信した場合、発信レポートの集計対象外となるのでご注意ください。
窓口にカーソルを合わせると、相手に通知される電話番号が確認可能です。
● 発信後の確認
ポイント1:後処理が完了後、ステータスを「後作業」以外へ変更する。
窓口発信後、ステータスは自動で「後作業」へ遷移します。エージェント側で対応履歴の更新等の後処理が完了後、ステータスを「後作業」以外のステータスへ変更します。
※1通話あたりの処理時間は「通話時間+後作業時間」の集計となるため、正しい集計のために必ずステータス変更をお願いいたします。
窓口発信の対象端末
ソフトフォンの設定後、窓口発信は一部の端末で利用が可能です。
機能 | 窓口発信の対象 |
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ソフトフォン | ○ |
ワークスペース | ○ |
OpenCTI | ○ |
WebRTC | ✕ |
ハードフォン | ✕ |
モバイル | ✕ |
ワークスペースの詳細は「1.ワークスペースについて」、OpenCTIの詳細は「1.OpenCTIソフトフォンの使い方」を参照ください。
4.2 レポートを集計する(管理者)
発信業務後、発信レポートで平均処理時間を集計します。
※レポート集計を行うには、スーパーバイザロール以上で、対象コールセンター/業務ラベルのリソース権限が必要です。
対象マニュアル | 5.コールセンターレポート:発信(3.10.X以降) |
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5.エージェントレポート:発信(3.10.X以降) |
● レポート集計箇所
「コールセンターレポート:発信」または「エージェントレポート:発信」の「処理時間」>「平均」が平均処理時間の集計値となります。
※着信通話のレポートは「3.コールセンターレポート:着信(3.10.X以降)」および「3.エージェントレポート:着信(3.10.X以降)」を参照ください。
5. 注意事項及び制限事項
「後作業」ステータスの状態で窓口発信した場合
「後作業」ステータスの状態で発信した場合の注意事項を案内します。
※窓口発信時は、発信前に「後作業」以外のステータスが選択されているかを必ず確認ください。
1. 後作業時間(CC紐づけあり)/(業務ラベル紐づけあり)の集計対象になる
「発信時の終話後ステータス」の設定状態に関わらず、「後作業」ステータスのまま窓口発信した場合は後作業時間(CC紐づけあり)/(業務ラベル紐づけあり)の集計対象となります。
2. 発信先が応答しなかった履歴も後作業時間(CC紐づけあり)/(業務ラベル紐づけあり)の集計対象になる
「後作業」ステータスのまま窓口発信を行った場合のみ、発信先が応答しなかった履歴(未コンタクトの履歴)も後作業時間(CC紐づけあり)/(業務ラベル紐づけあり)に後作業時間が集計されます。
3. 正しい平均処理時間が取得できない
平均処理時間は「通話時間+後作業時間(CC紐づけあり)÷コンタクト数」の値となるため、上記「2」の動作が発生した場合、正しい平均処理時間が集計できませんのでご注意ください。
窓口発信した通話を転送した場合
窓口発信した通話を転送、または三者通話した場合、以下制限事項により正しく動作しない箇所がございますのでご注意ください。
・後作業時間(CC紐づけあり)/(業務ラベル紐づけあり)および、処理時間を正しく集計できない場合がある
・コールセンター、業務ラベルに設定している「発信時の終話後ステータス」の設定が正常に動作しない場合がある