目的 |
災害などによりBIZTELの東京データセンターが利用できない事態に陥った場合、災害対策用(DR)の大阪データセンターに切替を行いBIZTELサービスを利用可能とし、お客様の業務を継続維持することを目的としたインフラサービスです。 |
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対象プラン | |
用語 |
DR ディザスタリカバリの略称であり日本語では「災害復旧」の意味として使用されます。一般的には所定場所における災害対策として、システム内のデータを別媒体などでバックアップする対応や、別所在にシステムを切り替えて継続できる構成や体制の意味合いとして使用されています。 |
ポイント |
・本機能を利用する場合、「DRサービス」オプション契約が必須となります。 ・本機能は、BIZTEL 3.6.10 以降のバージョンに対応しています。 |
目次
4.5 0120 / 0800 /0570 番号の着信先を変更する
1. BIZTELのDRサービスについて
1.1 DRサービスとは
BIZTEL バージョン 3.6.10 より、「DRサービス」オプションが利用可能です。
通常はBIZTELの東京データセンターでのサービス提供ですが、BIZTELの大阪データセンターにDR用BIZTELサーバをご用意し、災害時など東京データセンターがご利用頂け無い場合に大阪データセンターに切替を行いサービスを継続利用頂けるインフラサービスです。
※DRサーバへの切り替え後は、DRサーバ専用の管理画面にアクセスしてください。
1.2 データの同期について
DRサービスは、BIZTEL管理画面のコールフローやアカウント情報などの設定データをリアルタイムで、大阪データセンターのDRサーバに同期します。
災害時にDRサーバに切り替えた場合、設定データが維持されているため大きな変更作業を行わずにスムーズに業務継続を可能にします。
※ガイダンスファイルは 5分間隔、IPアクセス制限設定は 1時間間隔 で同期が行われます。
※BIZTELバージョン 3.7.10 以降、東京サーバとDRサーバが同期中の場合、DRサーバは 1時間間隔 で以下の設定情報をリロードします。
・対象設定
アカウント、電話端末、パークグループ、ピックアップグループ、コールセンター、ボイスメール、保留音
※録音データ、各種履歴、及び履歴を用いて集計するレポート類は同期対象外となります。
DRサーバでの通話履歴・レポートは、DRサーバにて確認可能です。
詳細は「6. 同期対象外データ」を参照ください。
※BIZTELバージョン 3.7.0 以降、同期の状態を管理画面内「システム設定」>「DR同期設定」から確認が可能です。
ステータス |
同期中 停止 |
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ロケーション |
有明 大阪 |
サーバタイプ |
primary secondary |
対向となるサーバホスト名 | 参照しているサーバの対向となるサーバのホスト名が表示されます。 |
対向となるサーバIPアドレス | 参照しているサーバの対向となるサーバのIPアドレス表示されます。 ※BIZTELバージョン 3.7.1 のみ表示される項目です。 |
同期設定 |
有効 無効 ※サーバタイプが secondary の場合、本項目は表示されません。 |
2. DRサーバへの切り替え条件など
2.1 利用前提条件
DRサービスの利用前提条件は、以下となります。
- 社会全体の機能が麻痺しておらず、通常の経済活動が維持できていること。
- サービス提供元である、株式会社リンク及びブライシス株式会社の企業活動が行える状態であること。
- 大阪データセンターのネットワーク、電話回線及び電話番号を提供している通信事業者のサービスが正常に機能していること。
- 東京データセンターの通常サービスと、サービス提供内容やサービスレベルに差異が生じること。
2.2 制限事項
- DRサーバへ切り替えリハーサル等、一部例外を除き通常時はDRサーバをご利用頂けません。
- DRサーバ用にご契約頂いたNTTコミュニケーションズ社 06 番号、050 番号については、東京サーバの管理画面上内にも表示されますが、東京サーバではご利用頂けません。
2.3 利用可能番号
DRサーバへ切り替え後、利用可能な電話番号は以下となります。
外線番号 |
DRサーバ専用 06番号、050番号 |
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フリーダイヤル ナビダイヤル |
0120 / 0800 /0570 番号 ※NTTコミュニケーションズ社の電話番号に限る ※フリーダイヤル・インテリジェントサービスの場合のみ、裏番号として050番号がご利用可能です。 |
※NTTコミュニケーションズ社の 06番号、050番号、0120/0800/0570番号以外はDRサーバでご利用いただけません。
2.4 電話番号の運用条件について
- ご利用いただいている電話番号が0ABJ番号(03番号など)や、050番号のみである場合、0120 / 0800 / 0570番号での運用をご検討ください。
- 0120 / 0800 / 0570 番号のDR用裏番号は、06番号でのご利用をご検討ください。
※050番号をご利用の場合、0120 / 0800 / 0570 番号がフリーダイヤル・インテリジェントサービスである必要があります。 - 0120 / 0800 / 0570 番号の利用がない場合、DRサーバへ切り替え後、お客様向けに公開している電話番号と相違が発生する為、お客様へ電話番号の変更案内などが必要となります。
0120 / 0800 / 0570 番号の利用がある場合のイメージ図
お客様向けに公開している電話番号が、0120 / 0800 / 0570番号の場合、着信先裏番号の切り替えで、DRサーバへ切り替え後も継続して着信が可能となります。
※管理画面内で、裏番号をコールセンター等のダイヤルイン番号に紐づけ設定が必要です。
※DRサーバ側で利用する 0120 / 0800 / 0570 番号にて、特定番号通知のオプション契約がある場合、DRサーバへの切り替え後も発信時は 0120 / 0800 / 0570 番号が通知されます。
0120 / 0800 / 0570 番号の利用がない場合のイメージ図
お客様向けに公開している電話番号と、DRサーバへ切り替え後の電話番号が異なる為、DRサーバへ切り替え後は03番号での着信が不可となる。
2.5 条件付きで継続利用が可能な機能
・お客様専用ゲートウェイ、またはひかり電話
東京データセンターやお客様宅内設置機器で電話番号を収容している場合、ボイスワープ等のキャリア転送サービスを利用する事でDRサービスが利用可能です。
・OpenCTI
SalesforceのOpenCTI設定項目においてOpenCTIの接続先サーバをDRサーバへ変更する必要があります。
マニュアル「1.OpenCTIの設定内(BIZTEL Open CTI Server URL)」を変更ください。
・ハードフォン
DRサーバへ切り替え後にハードフォンを利用する場合、事前に電話機の設定変更が必要です。
ハードフォンをご利用予定の場合、弊社までお問い合わせください。
・音声認識連携
DRサーバへ切り替え後に音声認識連携の利用可否については、お客様のご契約オプションやご利用環境で異なります。
DRサービスご契約前に弊社までお問い合わせください。
・VPN
VPNサービスの利用可否については、お客様のご契約やご利用環境によって異なります。
DRサービスご契約前に弊社までお問い合わせください。
・その他、外部サービスとの連携
BIZTELとその他外部サービスを連携している場合、対象サービスによって利用可否が異なります。
DRサービスのご契約前に弊社までお問い合わせください。
2.6 継続利用ができない機能
DRサーバへ切り替え後、以下の機能は継続してご利用いただけませんのでご注意ください。
・セキュリティサービス(PCIDSS、セキュリティプラス)
・BIZTEL FAX
・録音一括ダウンロード
・音声合成
・自動バージョンアップ(バージョンアップ予約)
・国際発信
・BIZTELモバイル(uniConnectを含む)
・内線連携
3. 接続先変更前の事前準備
設定データの同期により、DRサーバの設定内容は東京サーバと同一となります。
切り替え後も継続して所定コールセンターに着信させる場合、着信グループなどにDRサーバ用にご用意いただいた電話番号をダイヤルイン番号として設定し、該当コールセンターに内線転送させることで実現可能です。
※0120 / 0800 / 0570 番号以外の着信先となる箇所で設定する場合の参考設定となります。
※切り替えたタイミングで着信が入らなくなることの対処設定となりますので、切り替え完了後は外線番号の付け替えなどを対応ください。
4. 接続先変更時の必要作業
DRサーバへ切り替えを行う際の必要な作業を説明します。
※お客様のご契約内容や運用形態により手順が異なりますので、手順の一例として参照ください。
※手順1の DR発動ボタン はBIZTELバージョン 3.9.0 以降で利用可能です。
BIZTELバージョン 3.8.X をご利用のお客様は手順2以降を参考にしてください。
想定手順
全体イメージ
4.1 DRサーバで「DR発動ボタン」をクリックする
本機能は、BIZTELバージョン 3.9.0 以降のお客様が対象です。
BIZTELバージョン 3.8.X をご利用のお客様は「4.2 DRサーバの「デフォルト通知番号」を変更する」から操作ください。
BIZTELバージョン 3.9.0 以降、DRサーバ上に東京サーバと区別するためのアイコンが追加されました。
手順1.DRサーバのBIZTEL管理画面にて「システム設定」>「DR同期設定」をクリックします。
もしくは、TOP画面にある「DRの発動画面へ」をクリックします。
手順2.「DRの発動手順」内にある「DR発動」ボタンをクリックします。
手順3.確認ウィンドウが表示される為、「OK」をクリックします。
※DRの発動設定が実行されるため、完了までお待ちください。(数分かかる場合があります。)
手順4.DRの発動が完了すると、東京サーバとDRサーバの同期処理が停止します。
以上でDR発動完了です。
続けて「4.2 DRサーバの「デフォルト通知番号」を変更する」以降の手順を実行ください。
4.2 DRサーバの「デフォルト通知番号」を変更する
DRサーバは、東京サーバと同期を行っており、サーバの「未設定時の通知番号」が東京サーバと同じ番号が設定されています。
DRサーバの管理画面にて、「システム設定」>「システム設定」より「未設定時の通知番号」の項目を変更ください。
※本作業を実施しない場合、内線番号を選択した状態での外線発信を行うことができません。
外線発信を行う場合、通知する電話番号を選択した状態で発信を行う必要があります。(内線発信は可能です)
※継続利用可能な電話番号の場合、変更不要です。
※本設定を変更する場合、システム管理者ロールのアカウントで操作ください。
4.3 ソフトフォンの接続先を変更する
接続先をDRサーバに切り替える
切り替えを行う為に、BIZTEL利用者のパソコンごとにソフトフォンで操作が必要です。
設定ボタン(歯車アイコン)> ネットワーク > 「切替」のボタンをクリックしてください。
ボタンが「切戻」と表示されたら接続先の変更が完了しています。
※「切戻」をクリックすると東京サーバへ接続されますので、復旧まではクリックしないようにご注意してください。
BIZTELバージョン 3.7.0 以降、DRサーバに接続されている場合、ソフトフォン上にアイコンが表示されます。
マウスカーソルを合わせることで、接続先がDRサーバに設定されている旨のメッセージを表示します。
※誤操作により接続先が切り替わってしまった場合でもアイコンが表示されますので、接続先が正しいことを確認ください。
4.4 DRサーバの電話端末の通知番号を変更する
各電話端末で、通知番号を設定している場合、通知番号の変更が必要です。
DRサーバの管理画面「電話端末」>「電話端末」> ご利用内線番号 を選択し、編集してください。
※継続利用が可能な電話番号の場合、変更不要です。
※スーパバイザ、ユーザアカウントで操作する場合、操作するアカウントに電話端末のリソース権限(参照・編集以上)が必要です。
詳細は「1.権限(ロールとリソース)の設定」を参照ください。
4.5 0120 / 0800 /0570 番号の着信先を変更する
0120 / 0800 / 0570 の着信先番号を東京サーバの電話番号に設定している場合、NTTコミュニケーション社のカスタマコントロールでDRサーバの電話番号へ着信先を変更してください。
※0120 / 0800 / 0570 番号をご利用のお客様が対象です。
※東京サーバでお客様専用ゲートウェイまたはひかり電話を利用中で、DRサーバへ着信を行いたい場合は、キャリア側でDRサーバで利用可能な電話番号への転送設定(ボイスワープ等)を忘れずに実施してください。
4.6 DRサーバの発着信試験を行う
各設定変更が完了次第、正常に利用可能か発着信試験をお客様ご自身で行い、動作をご確認ください。
- DRサーバの電話番号にBIZTEL外の電話番号から発信を行い、正常に着信するか
- ソフトフォンから正常に発信操作が行えるか
- 着信先へ通知番号が正しく通知されるか
5. 東京サーバへ切り戻しを行う場合
5.1 復旧通知について
災害や障害が復旧し、東京データセンターの稼働が確認できた場合、弊社より復旧通知をお送りします。
お客様で、ソフトフォンの接続先を東京サーバへ切り戻し後、弊社へ切り戻し完了及び、同期再開のご連絡をお願いします。
※弊社に同期再開の依頼を頂き次第、順次同期再開の処理を行います。
事前注意事項
・0120 / 0800 / 0570 番号の着信先変更、発着信試験など、お客様が通常運用できる事を必ず事前にご確認ください。
・DRサーバで行った設定変更の内容は、東京サーバへ反映されません。同期を再開したタイミングで東京サーバの設定情報がDRサーバに上書きされますので、必要に応じて事前に東京サーバの設定変更を忘れずに実施してください。
5.2 DRサーバのデータ削除
BIZTELバージョン 3.9.0 以降、DRサーバのデータ一括削除が可能です。
「システム設定」>「DR同期設定」のメニューから「データ削除」ボタンをクリックすることで、DRサーバ内に保存されている「全ての履歴データ」及び「全ての録音データ」を削除します。
※削除後は復旧不可となりますので、必要に応じて事前にCSVデータや録音データのダウンロードを実施ください。
6. 同期対象外データ
東京サーバからDRサーバへ同期されないデータは以下となります。
各種履歴系
・発着信履歴
・録音データ
・コールセンター履歴
・業務ラベル履歴
・折り返し呼履歴
・同時通話数履歴
・課金明細
・ログイン履歴
・エージェント活動履歴
・IVR履歴
・外部API連携履歴
・コールアクション履歴
・SMS送信履歴
・操作履歴
・設定変更履歴
・通話評価フィルタ
・Salesforce履歴録音連携
・コールバック発信結果
各種履歴を用いるレポート
・コールセンターレポート
・エージェントレポート
・アウトバウンドレポート(電話番号レポート)
・ダッシュボード
7. 注意事項
・東京サーバが正常に動作している状態で、直接DRサーバの設定変更を行うと、同期処理が停止します。DRサーバに切り替え後、想定した管理画面の設定になっていない場合がありますのでご注意ください。
※誤ってDRサーバの設定変更を行った場合は、弊社までお問い合わせください。
● 正常時
● 異常時(NG操作)
・東京サーバとDRサーバで同期処理が行われますので、両サーバにご契約の電話番号が全て表示されます。
※東京サーバでDRサーバの電話番号、DRサーバで東京サーバの電話番号は利用できませんのでご注意ください。
・BIZTELサーバのバージョンアップが必要な場合、DRサーバでは、自動バージョンアップの機能がご利用いただけませんので弊社までお問い合わせください。
・2段階認証を利用している場合、設定自体は同期は行われますが、認証情報の同期は行われませんのでご注意ください。DRサーバへの切り替え後は、再度認証操作を行っていただく必要がございます。
・「アウトバウンド」オプションをご利用の場合、DRサービスはご利用いただけませんのでご注意ください。